麻子「実習校の生徒に」

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特に教師になりたいと思っていたわけではなくて、とりあえず免許を取っておこう、くらいの気持ちで教育実習も経験した。通っている女子大の付属女子中学に受け入れてもらえたのは幸運だった。教育実習のために東京を離れて郷里に帰るわけにもいかない。

実習先の学校はお嬢様学校として有名。そして私は運命的な出会いをしてしまった。受け持たせてもらった3年生クラスの早穂ちゃん。一目で引き込まれた。もともと年下好きなわけではなかったけれど、大人びた容姿とあどけない言動が混じり合った早穂ちゃんに恋をしてしまったのだ。

実習中はアパートに帰ると毎晩のように、空想の中で早穂ちゃんに恥ずかしい姿態を取らせ、屈辱的な台詞を言わせた。

もちろん直接的な行動には出なかった。教育実習生と、実習校の中学生。しかも同性。何かが起こりえるなんて考えもしなかったのだ。

なのに実習最終日、早穂ちゃんはこっそり手紙をくれた。先生に恋をしました、と。そして連絡先も記されていた。

いけない。絶対に行動に移してはいけない、相手は中学生なのだ。私は妄想に身を委ねることで自らを慰めた。その代わり、妄想の中ではどんなに早穂ちゃんを汚してもいいことにした。たとえばお気に入りの下級生の写真を見ながら自らの体にそっと触れてしまう早穂ちゃん。そんな姿を思いながら昂りを慰めていた。

民間企業の社員となった今も、早穂ちゃんのことを忘れられないでいる。そして偶然渋谷で早穂ちゃんを見かけてしまったのだ。

高校生になった早穂ちゃんはセーラー服のスカートを短くして、他校の制服を着たたぶん中学生と手をつないで歩いていた。可愛い女の子だった。

思わず二人のあとをつけた。恋愛関係にあることはすぐにわかった。信号待ちの交差点で早穂ちゃんがその女の子のスカートをふざけたようにめくった。白い欠片がちらっと見えた。

私は我慢できなくて近くのビルのトイレに駆け込んだ。早穂ちゃんとはもう会えないかもしれないけれど、もういいと思った。落書きだらけのトイレの個室で、私は抑えきれない声を漏らしながら絶頂を迎えた。

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