やらぎはら響「女の子だって」

煌びやかなランジェリーショップ。
大して興味なさそうに立花加奈は赤茶色のロングヘアをかきあげた。
ここにあるのは自分の趣味ではない。
ピンクや水色パステルカラー。
いわゆる男受けのいい店だ。
今巻いている紫と黄色のマフラーでもわかるとおり、加奈の好みはビビッドカラーなのである。
ならば何故自分がここにいるかと言えば。
「加奈ちゃん、白と水玉どっちがいい」
このやたら綺麗な顔した林真理恵のせいである。
なにを血迷ったかこの二人はお付き合いをしている。
キスもその先もしている。
なのでただ今デート中なのだが。
だが何故下着売り場?
他の人ならともかく自分や真理恵の下着姿は恥ずかしいと思う加奈だ。
「お前白持ってるだろ」
「何言ってるの。加奈ちゃんがつけるんだよ?」
「は?」
言われて意味がわかった途端に加奈の白い体はカカーと赤くなった。
「な、なに、それ」
「だって加奈ちゃん。加奈ちゃんの下着を脱がせるのは私なんだからたまには私好みを着けてくれてもいいでしょう?」
綺麗な笑顔でそう言われてしまえば赤くないところなんてないんじゃないかと加奈は思った。
「恋人に着るものを贈るのは男だけのロマンじゃないからね」
そこまで言われて店内だったことを思いだすと加奈は悔し紛れに軽い鞄で真理恵を叩いた。
「代金お前持ちだからな!」
あとにはにんまり笑って立つ美人が一人。
手には絶対に恋人が着てくれない白地にピンクの花柄と淡いレースに縁どられた水玉の下着があった。

参考 やらぎはら響作者Twitter
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