麻子「合唱部の下級生」

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私は中高一貫の女子校に通う高校二年生。実は最近、違う女子校の一つ年下の恋人ができた。まだキスしかしていないけれど、大事に思い合える存在がいて幸せな毎日だ。
ただ、想定外のこともいろいろある。たとえば……
恋人ができたらほかの女の子には興味がなくなると思っていたのに、全然そんなことはなかった。学校が違うのをいいことに、恋人がいることは友達にはほとんど話していない。相変わらず、可愛い下級生の話題に花を咲かせている。

部活では合唱をやっている。一貫校なので中学・高校一緒に活動している。私は副部長でもあり、下級生と接する機会が多い。一応下級生に人気がある方だ。
きのうの活動後、次に練習する楽譜の用意のため、中学のリーダーの里穂ちゃんと音楽室で二人になった。里穂ちゃんは中三で、色白でまじめなタイプの美少女。正直、私はしばしば里穂ちゃんをエッチな目で見てしまう。家で恥ずかしい想像をするときも里穂ちゃんのことを思うことがある。
「ねえ、今年の新入生で誰が可愛いと思う?」
突然だったが、好奇心を抑えられず尋ねてみた。えっ、と顔を上げる里穂ちゃん。その頬がほんのり赤くなったように見えた。
「あーっ、赤くなった。誰か気になる子がいるんだ」
からかうと、今度は里穂ちゃんの頬は明らかに紅潮する。
「まだ一人ひとりのキャラもよくわからないし、特別に見る子なんかいませんよー」
「じゃあ結衣ちゃんは。すごい可愛いじゃない」
そう、結衣ちゃんは新入生の中でも際立っている。アイドル系の丸顔で、人懐こい性格。部活中もみんなちらちら結衣ちゃんのことを見ている。
「いい声してますよね」
とぼけているのかな。それとも意味深な想像をしていいのかな。
「まずルックスから入るのもアリだと思うよ。もし里穂ちゃんがそうなりたいなら、仲良くなれるように私もいろいろプッシュしてあげるよ」
里穂ちゃんは、いいです、と小さく言うと楽譜の束を整え始めた。
こんな具合に、下級生への関心を止められずにいる。
私は恋をするのがあまり得意ではないみたい。むしろきれいな女の子が、女の子に惹かれているのを傍で見ているのが好き。

作家コメント
恋をするより、魅力的な女の子どうしの心が絡み合うのを眺めていたい気持ちってありませんか?
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