毘沙門天ゆるいこ「化粧室にて」

その口紅を私にください。
何度、そう願ったことでしょう。
化粧室で隣りあうたび、私の心は弱るのです。
未来に高鳴る貴女のメイクが、私の心を汚すのです。

「今日もデート?」
「そ。アンタも作りなよ。彼氏」
「あはは」

――嗚呼、笑えない。
だから、その口紅を私にください。
鏡に映る私の首筋に、その紅い紅い唇をください。

参考 毘沙門天ゆるいこ作者Twitter
作家コメント
150文字で表現した百合です

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