ATライカ「天の川」

目覚ましの音が聞こえる。
うるさいなあと思い、頭の上の方を手探りで探す。
しかし、私が見つける前に衣擦れの音と共に目覚ましが止まった。その直後に目覚ましに触れると、それはとても柔らかくとても暖かかった。
共寝している彼女の手だ。少し指を弄りあい、それが離れて、大きくベッドが揺れ動く。
「おはよう」
「うん。おはよう」
肘をついて少し体を起こす彼女に、私はうつぶせになって目線をやる。彼女が持つ、朝日に輝く美しい金色の長髪は、寝起きの目には優しくない。
「今日も美人だね」
ちょっと皮肉をスパイスにそう言えば、
「今日も可愛いね」
と返されて。
気恥ずかしさに私は枕に顔をうずめる。
「あ、見て。天の川」
今は朝だよ。そういう意図で、うめき声を枕に放つ。枕からは朝の匂いもした。
「見てよぉ」
でも、なおも彼女がそう言う物だから私は顔を半分彼女に向ける。
「ほらほら」
彼女の目線は下を向いていて、私もつられて見る。
「ね?天の川」
彼女の金色の長髪と、私の黒色の長髪とが複雑に絡み、確かにそこには満天の星空があった。
「少し星が多いと思うけど。私は好きかな」
この星の多さは、彼女の愛の多さかなあ。そんなことを思いながら私が言うと、彼女は微笑みを返してくる。
「朝食。どうする?」
今日は彼女が当番だ。当番と言っても、結局は二人で作るけど。
「うーん……」
せっかくの休日だから少し豪華にしたい。惚ける頭で冷蔵庫の中身を思い出しながら考えていると、髪の毛が少し引っ張られる。
意識を彼女の手元に向ければ、金と黒の髪を整え、その二色を上手く編んでいた。
「何してるの?」
「今日は一日いっしょにいようよ」
二人の髪は長いと言っても限度があるし、編み込まれてしまったらあまり離れられなくなってしまうだろう。でも、
「うん。いいよ。楽しそう」
結構疲れるだろうけど、きっと、今日の休日は楽しい。

参考 ATライカ作家pixiv

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