えいな「あなた、私、女。」

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いつもは大好きなお風呂の時間なのに、憂鬱なのは生理中だから。溜め息をつきながら、熱めのシャワーを頭から浴びる。やっぱり下腹がズシンと重い。
生理は非道だ。私が「女」であることを実感させてくるから。確かに私は心も体も女だけれど、自分のことを「女」だと感じるタイミングは自分で決めたい。
なのに私の許可なしに、毎月毎月一方的に「女」を突きつけてくるんだもんな。端的にむかつくんだよなぁ。なんてシャワーを浴びながら一人で管を巻く。
こなくなればいいのに、と思って、それですぐに優衣子が脳裏に浮かんだ。優衣子は今、生理がこない。半年前に妊娠したからだ。最近は膨らみを帯びてきたお腹をインスタに上げている。
生理はこないけれど、私よりもずっと彼女は「女」だった。いや、「女」というより「母」だと言った方が適切か。
出会ったときは、まだ彼女も私も少女だったのに。身体を重ねていた半年前まで、確かに同じ生き物だった筈なのに、いつの間にか私達は根本的なところで違ってしまっていた。優衣子が母になることを望む女だったなんて、知らなかった。
それでもまだ、彼女に会いたいと思っている。新たな命を宿したそのお腹を撫でてみたい。「母」のあなたが毎日どんな表情を浮かべるのか見てみたい。
見れるかな。まぁ出産日なら見当がつくし、旦那がいつから単身赴任かってことも知ってるんですけどね。
浴室の床にぽとりぽとりと経血が落ちていく。醜い赤は水滴にどろりと滲んで、シャワーをかけてやればすぐに排水溝に吸い込まれていった。
きっと私は「母」になんてならないし、これからもずっと「女」としての欲望を止める術なんて分からないままなのだろう。
そっとあなたの名前を呟く。それから自分で自分の「女」の身体を抱き締めた。

参考 えいな作者pixiv
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