樫間島詞花「押入れ開けたら幼女が出てきた!」

 朝、布団を片そうと部屋の押入れを開けたら、幼女が出てきた。

 いや、正確に言えば知らない幼女が寝ていた。見たところ5、6歳くらいだ。

 言いたいことは色々あるが、1番はとにかく顔が良いということだ。正直幼女の顔が良すぎて、私は一瞬何もかもを忘れて呆然としてしまった。

 サラサラの金髪に、色白の柔肌、その姿はまるで眠り姫だ。

 突然もそもそっと幼女が動く。
幼女は小さなおててで目をこすって眠そうにまぶたを開き、大きなあくびと伸びをした。

 幼女と目が合う。

 幼女はにぱっと天使のように笑い、私にキスをした。

 ――キスされた?!

 あまりの展開にその場で固まっていると、幼女はとてとてと玄関の方へ駆け出し、六畳半から外へと出て行った。

 私はあっけにとられるだけだった。

 次、夜に押入れを開くと、顔が良い褐色の幼女がすやすやと寝ていた。その幼女も私にキスをしてどこかへ行った。

 その後、押入れを開けるたびに顔の良い幼女が必ず寝ていた。しかも全員別人。まあしかし、顔が良い幼女にキスされれば私も嬉しいというもので、いつのまにか1日2回の幼女が楽しみになっていた。

 そうして10年が経ち、大学生だった私は今や立派な社会人だ。
 玄関のチャイムが鳴る。

 ドアを開けると、そこには金髪色白の美少女が立っていた。

「え、だれ?」

 美少女はにぱっと笑い、私にキスをした。

 ――キスされた?!

「あなたに会いにきたわ。久しぶりね」

 美少女が家に上がってくる。私が混乱したままお茶を出すと、美少女は続けた。

「ねえ、あなたと一緒に住んでもいい?」
 やっと思い当たった!
 あの時の押入れの幼女だ。面影がある。

 一緒に住む、か。未だに六畳一間だけどお金は稼いでるし、まあ2人なら住めるか。

 そう考えるくらいに顔が良すぎるのだ。

「いい、けど、なんで私?」

「あなたのキス、とてもいいの。あんなの誰だって一緒に住みたくなるわ!」

 美少女は天使の笑顔でそう答えた。

 対して私の背筋は凍りついた。……誰だって住みたくなる、だって?

 私の脳裏に365×2×10=7300という式が浮かぶ。

 また、玄関のチャイムが、鳴った。

参考 樫間島詞花作者pixiv
作家コメント
あなたはうらやましいですか……?

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