ATライカ「のどぼとけ」

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「やっぱり、男と女は違うね」
私の彼女は一緒に過ごしている時、ふとこんなことを言う。その理由を『私は男を好きになると思ってたから、余計にね』と彼女は説明する。
そして、今日は一緒にリビングで映画を見ている時に言ってきた。
「今日はどこが違うって気付いたの?」
これはその言葉に対するお決まりの返答で、映画から目を離して彼女の方を見ると、彼女は自分ののどを指さしていた。
「のどぼとけ、女の人にはないよね」
映画の中で女優が男優の首にキスマークを付けるシーンが流れていて、彼女はこれを見てそう思ったのだろう。
「確かに」
私はじっと、彼女の白く触れたら折れそうなほど細い首を見た。すると、その視線で何かを思いついたらしい彼女は、私の手を取って自分の首まで引き寄せる。
「スラっとしてて、触ってもどこも引っかからないでしょ」
私の指は彼女に導かれて、鎖骨から顎あたりまでの、暖かく柔らかい肌を滑っていく。そして、彼女が言葉を紡ぐたびにかすかに震えるのが、すごく、いじらしい。
「ね、キスしよ」
私の手を首にかけさせたまま、彼女は私に唇を差し出してくる。彼女の赤い唇を見ていると、段々と映画の音が遠くなって行く気がして。やがて、私は彼女の唇をついばんだ。
「もっと」
少しだけ唇を離すと、彼女はせがむ様に私を見つめてくる。彼女の吐息が私の唇にかかり、のどが期待に震えているのがわかる。
「うん」
次は、ついばむだけじゃなくて、舌を絡ませ合う。
彼女の舌が艶めかしく動くたびに、のどの奥がうごめくのが私の手から伝わってくる。舌だけじゃなく、手でも感じるそのキスは私の頭をどんどん熱くさせる。そして、私と彼女の唾液が混じったものを彼女が飲んだ時、首が大きく上下するのを感じた。
やがて、息継ぎをするために顔を離すと、彼女は息継ぎをしながら
「私も、感じていい?」
と言って私の首に触れる。
「いいよ」
私達はお互い首に手をかけながら、何度も何度もキスをした。

参考 ATライカ作者pixiv
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