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えいな「あの女とわたし」

「では本日成立したカップル、ラスト、10組目の発表です。男性番号22番……」
 その数字を聞いて、私は心の中で神様に祈った。22番。今日の婚活パーティーで一番最初に一緒の席でお話した青山さんだ。
 甘いマスクの細マッチョで、外資系にお勤めの29歳。今日イチの超~~~優良物件!もちろん私はカップル第一希望に22番って書いた。
 彼とはこれまでになく会話も弾んだし、フリートークタイムでは向こうから声をかけてくれたし、ラインIDだって交換したんだよ?
 今日こそは絶・対いける!!どうかどうか彼とカップル成立でお願いします神様。
「そして女性番号は……」
 お願い!私19番!呼んでください19番!!
「――女性番号は34番です!おめでとうございま~す!」
 スタッフの人がそう言うと、辺りからパラパラと拍手が聞こえた。ああ。私じゃなかった。
 でもなんで?さっきまでの彼と私のあの甘~い空気は一体何だったわけ?
 っていうか34番って誰よ?
 振り返った私の目に、その34番のネームプレートを外そうとしている女の姿が目に入った。
 艶やかな長い黒髪、切れ長の目に抜けるように白い肌。どこからどう見ても美女、としか言いようのないその女を私はよく知っていた。
「あやめ、またあんたなの……」
「あら?友理奈?偶然ね。いい人見つかった?」
「なっ!?あんた、何をいけしゃあしゃあと!今日もあんたが邪魔したんでしょ!?」
 小学校の時からの腐れ縁。この女のせいでいつもいつも私の恋は上手くいかないのだ。
 それにしてもまさかこんなところにまでいるなんて。悔しい。悔しいけどでもこれが現実なのだ。
「ほらあやめ、青山さん向こうにいるわよ。素敵なディナーでも楽しんできたら?」
「青山さん、って誰かしら?」
「は?あんたとカップル成立したイケメンよ!ほらあの人!」
「…ちょっと分からないわ。それに私、この後予定があるし」
 そう言ってあやめは私の手首を掴んで、そのまま歩き出す。
「はぁ!?っていうかなになに、手離しなさいよ!?」
「嫌よ、飲みに行くんだもの、友理奈と一緒に」
「はいぃぃ???」
 そのまま歩みを止めることなく、あやめは夜の街に私を引き連れていく。一緒にって、何勝手に決めてんの?
 っていうかなんで青山さんをほっとくのよ。ちょっと美人だからって何なのそれ!もう何が何だか分からない。
 この女、本当に最悪。

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えいな作者pixiv

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